【企業インタビュー】日本ヒルズ・コルゲート株式会社

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ペットフードのリーディングカンパニーとして。
日本での経営戦略、そして事業目標実現のために求める人物像とは?

代表取締役社長
ゴードン・デュメシッチ 様

米系ペットフードのリーディングカンパニーの日本法人、日本ヒルズ・コルゲート。
このヒルズ・コルゲートグループでの勤務暦23年のデュメシッチ社長に、同社の日本での経営戦略、そして事業目標実現のために求める人物像について伺った。

※この記事は2015年8月に公開した内容を再編集して公開しております。

ーまずはヒルズ・コルゲート社についてお伺いできますか。

弊社は、約75年前米国にて獣医師によって設立、食事療法の観点から、臨床の現場で研究開発した製品が始まりです。ペットの栄養バランス食が一般に浸透した今でも、私たちはサイエンスに裏づけされた製品及び事業展開をしています。自社の研究施設では数多くの科学者が、疾患治療の研究はもちろん、食事が身体に及ぼす影響についての研究に取り組んでいます。ヒルズ・コルゲート社は、関連分野の多くの特許を保有しており、常にペットの栄養化学に関して業界をリードする立場にあります。

ー具体的にはどのような製品を展開されているのでしょうか。

日本ヒルズ・コルゲート株式会社の商品画像

製品ラインナップは主に3つ。既に疾患のあるペットの食事を通じた治療を目的としてたプリスクリプション・ダイエット、獣医師からの処方指示が求められる製品です。サイエンス・ダイエット、そしてサイエンス・ダイエット・プロは、獣医師と栄養学者が共同で開発した栄養管理と健康維持を目的としたもので、それぞれ一般のペットーオーナー、そしてペットショップ向けの商品です。

人と同じように、ペットもライフステージにあわせて、必要な栄養が異なります。いざ病気になってからではなく、予防療法の観点に立ち、より長く「いつも元気で、いつまでも一緒に」ペットと過ごしていただくための製品です。生まれたばかりの子犬から老犬まで、栄養がバランスよく配合された食事をとることで、健やかな生活をおくることができると私たちは考えています。

身体にいい栄養バランスのとれた製品ということは、一方で塩分、糖分、油分などの「うまみ」とのせめぎあいでもあります。ですが、私たちは栄養面では一切の妥協をせず、ペットが食事を楽しむことのできる味の追求も行っています。

ー御社を取り巻く日本の市場環境、そして経営戦略についてお聞かせください。

日本ヒルズ・コルゲート株式会社のCEO写真①

日本に進出したのは、今から40年前になります。日本のペット市場はアメリカについで第2位、私たちにとっても非常に重要なマーケットですので、長期的な目線で、日本独自の事業戦略を組み立てています。少子高齢化の影響や、飼育スペースの関係で、欧米諸国とは違い、日本では小型のペットが好まれる傾向にあります。また、散歩の手がかからない猫を好むオーナーも増えています。健康意識の高まりから、ペットの平均寿命も伸びています。

この変化する日本のローカルニーズに応えるため、最近国内組織のあり方も見直しました。以前は職務機能ごとであった組織を、それぞれの販売チャネル別に再編をしました。ターゲット市場ごとに、社員が協力体制を築ける体制が整ったと考えています。

また、私たちは日本での市場調査・製品開発に注力をすると共に、獣医大学や獣医師団体はもちろん、全国約9,000の動物病院と提携をし、市場のニーズにあわせた製品・技術を提供しています。これらの協力や提携は、市場理解に加え、臨床レベルで得られるデータや課題を研究開発に活かす事も目的としています。

ー業界をリードする御社で求める人物像をお聞かせください。

日本ヒルズ・コルゲート株式会社のCEO写真②

グローバルの方針として弊社が求めるのは、積極に行動し、リスクを恐れず新しいことに挑戦し、イノベーションを推進できるマインドセットをお持ちの方です。しかし、この要素だけに着目すると、日本の方は一般的にシャイで控えめな方が多いため、ローカルの要素として、周囲との協調性、市場や製品に対する理解も評価をするようにしています。

日本とグローバル、それぞれの良さを併せ持つハイブリッドの方と言えるでしょう。現在社内で活躍している方は、こうした要素に加えて、ロジカルな分析力や結果に対する熱意を持ち、そしてどんなときも柔軟な姿勢、思考回路で業務に向かうことができる方であると感じています。

ー社員エンゲージメントのために取り組まれていることをお聞かせください。

日本ヒルズ・コルゲート株式会社のオフィス風景

開放的なオフィス

ヒルズ・コルゲートには、目指している4つのカルチャーがあります。コラボレーション、チームワーク、コーチング、アカウンタビリティ(自ら責任感をもって成果を出すこと)です。社内外トレーニングやワークショップの機会を設け、これらの価値観の浸透を図っています。

先ほど申し上げたように、弊社は最近組織の再編を行いました。体制移行をスムーズにするため、人事部門主導で、ビジネス・スキルやチェンジ・マネジメントをはじめとした多くのトレーニングの機会を提供しています。社員一人ひとりが強い自信を携え、社内外の方との協力体制を築き、実績を出せる環境を、様々な角度から提供したいと考えています。

ー社員の評価・報酬制度やキャリアアップの機会についてお聞かせください。

日本ヒルズ・コルゲート株式会社のCEO写真③

社員の評価報酬及びキャリア開発に関しては、グローバル統一基準の導入を進めています。弊社にはグローバルレベルでのトレーニングが多数用意されています。最近日本からそのプログラムに参加した方が、目覚しい成長を遂げていますし、今後日本法人からの参加する社員を増やしたいと考えています。

また、社内公募の制度を設けるなど、国内外のポジションへの昇進や異動などの機会も積極的に提供しています。私自身も約23年間をかけ、日本の他、US、カナダ、オーストラリアなど複数国で勤務する経験を得て、この会社でのキャリアを積んできました。もちろん優秀な方の社外から採用も行いますが、基本的には社員が成長し、組織をリードすることが大切であると考えています。日本の社員にも、国内に留まらないキャリアアップの機会にぜひ目を向けてほしいと考えています。

ーペットとの豊かな暮らしを実現するために、会社を挙げて製品開発以外の取り組みもされていると伺いました。

日本ヒルズ・コルゲート株式会社の社員名刺

社員の名刺裏にはペットの写真が

そうです、ペットを取り巻く社会環境全般への働きかけも積極的に行っています。海外と比較すると、日本のペットに対する意識ギャップを実感しています。ペット同伴での出勤など、動物愛護、共生の社会風土ができている国も多くあります。日本では、まだまだその意識が一部にしか普及しておらず、非常に残念なことに年間20万頭ものペットが国内で殺処分をされている現状があります。この現状を変える一助とするために、弊社では、様々な社会活動を行っています。

例えば、弊社の社員が小学校などにペットを連れて訪問し、ペットとの適切なふれあい方、ケアの仕方についての教育プログラムを提供しています。また、今年の9月より、京都市が運営する動物愛護センターを、向こう10年間スポンサーをすることになりました。このシェルターは殺処分を行わないことで知られており、里親が見つかるまで、ペット保護している施設です。社員と共に、ペットとの健やかな共生社会に貢献できることを心から喜ばしく思っております。

会社名 日本ヒルズ・コルゲート株式会社 Hill's-Colgate(JAPAN)Ltd.
設立 1977年1月10日
代表者 代表取締役社長 Ricardo Tasca (リカルド タスカ)
資本金 5,000万円(2013年1月現在)
従業員数 約160名(2022年1月現在)
事業内容 ドッグフード、キャットフード販売
本社所在地

〒102-0084 東京都千代田区二番町5-25 二番町センタービル7F

西日本営業所:〒532-0003 大阪府大阪市淀川区宮原3-5-24 新大阪第一生命ビルディング12F

事業所 東京・大阪・名古屋・札幌・福岡
企業ホームページ https://www.hills.co.jp/

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