2019/09/04 【ランスタッド・コラム】 【コラム】中途採用のトレンドは?基本の手法を総まとめ

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中途採用市場は、年々厳しくなる一方です。中途採用において「人員が確保できた」とした企業は2013年には60%を超えていたのに対し、2018年上半期には45%まで下落。今後も企業が人員確保に苦戦することが予測されます。変動する採用市場で欲しい人材にリーチするには、自社に適した採用方法を選ぶことが重要です。

ここでは、従来の中途採用の方法とトレンド手法の特徴を解説。メリットを理解し、自社の採用計画を立てる際の参考にしてください。

中途採用の基本の手法と特徴。待つ採用から攻めの採用へ

中途採用の基本の採用手法は、ハローワークや自社サイトの利用、人材紹介や人材派遣等いくつかの種類があります。

【1】ハローワーク、自社サイトでエントリーを待つ

ハローワーク、および自社サイトへの求人の掲載は、コストを押さえつつ常時エントリーの窓口を開いておく採用手法です。

ハローワークは無料で掲載が可能です。人材を採用し、政府や県が取り扱う助成金を受け取れるケースもあります。ただし、欲しい人材とのミスマッチが起きる可能性については、注意が必要です。ありとあらゆる企業の求人を掲載するため、ハローワークが採用側と密なコミュニケーションを取るのが難しかったり、求人票の内容の大半が「労働条件」や「仕事内容」で占められていたり、会社のビジョンや仕事のやりがいを求職者に伝えにくい一面があります。

自社サイトは、「会社」そのものに興味がある人材が応募してくる可能性が高い窓口です。一方、知名度によってはエントリー数そのものが伸びない難しさがあります。

【2】人材紹介やヘッドハンティングで欲しい人材を探す

採用ターゲットのスキルや経歴が明確であるときに、活用できるのが人材紹介会社です。

一般的な人材紹介会社は幅広い職種を網羅していますが、人材紹介会社の中には、会計やIT系など、特定の業種に特化した企業もあります。また、管理職やハイクラス人材と呼ばれる層を採用する際は、ヘッドハンティングを専門とする人材紹介会社を利用する選択肢も。人材紹介会社の得意業界や職種を見極めつつ、提携先を選ぶのがポイントです。

紹介された人材を最終的に採用した場合のみ、料金を支払う成功報酬型が一般的。費用は、人材の年収に対して決められた割合をもとに計算されます。そのため、エグゼクティブ層など年収が高い人材であるほど採用コストが上がります。

【3】必要なスキルをピンポイントで採用する人材派遣

スキルや経歴に見合う人材を、時給制で派遣してくれるのが人材派遣会社です。産休の欠員補助や事業の繁忙期など、業務量にあわせて人材を採用することができます。

人材派遣には、「労働者派遣」と「紹介予定派遣」の2つの形態があります。どちらも、派遣スタッフは人材派遣会社と雇用契約を結びます。紹介予定派遣は、一定の派遣期間を終えた後、双方の合意のもと企業との直接雇用に移行することを前提としています。

【4】求人サイトは待つから届ける採用へ

転職サイトといった、求人広告を掲載できるウェブ上のプラットフォームは、職種や業界特化型、地域特化型など多様な種類が存在します。

近年では、情報量の増加から単純に求人情報を掲載するだけでなく、インタビュー形式で社員を特集し、仕事内容からやりがい、志望動機などを伝える手法が充実。

中途採用では、年収や労働条件以外に「やりたい仕事があるか」という点が、求職者にとって会社を選ぶ重要なポイントです。画一的な情報ではなく、リアルな社員像を伝え具体的に働く現場をイメージできる発信が、他社との差別化になります。

近年では、転職市場の人員確保も難航し、売り手市場に傾いています。求人情報を掲載し待つだけではなく、企業全体のブランディングもふくめ、欲しい人材にブランドイメージと生きた情報を届ける採用広報の重要性が高まっています。

ダイレクト・リクルーティングは人に直接リーチする方法

SNSなど情報通信技術の発達・およびネット上のコミュニケーションの変化によって生まれたのがダイレクト・リクルーティングです。先に紹介した基本の採用手法とは異なり、企業が直接求職者にリーチできるという特徴があります。

【1】SNSを利用したソーシャル・リクルーティングが勢いを増す

2012年頃を境に、FacebookやTwitterのSNSを利用した採用手法が広まりました。近年では単純に応募者のアカウントを企業がチェックするだけでなく、企業が採用活動の一貫としてSNSアカウントを運用したり、SNSと連携した求人プラットフォームが誕生したりと、SNS自体が一つの採用手法として確立しています。

SNSアカウントを採用手法に活用するメリットは、「個人」という単位で求職者にリーチできることです。SNSの日頃の情報発信を通じて、業務内容や会社のカラーという点から、求職者に興味関心を抱かせることができます。そうした求職者は応募の時点で、仕事や会社への理解がある程度醸成されているのが特徴です。

また、スタートアップ企業など特定のスキルを持つ人材を求める企業が、マスに対してではなく、欲しい人材に対してアピールできる面もあります。採用コストが人材紹介会社等と比較して安価に押さえられる一方で、フォロワーを増やすなどのSNSアカウントを育てる運用負担があります。

LinkedinやWantedlyといった、求職者がSNSアカウントと連携させて利用するビジネスソーシャルプラットフォームも拡大中。SNSを活用することで、企業は求職者のスクリーニングや、欲しい人材へにアプローチを効果的に行うことができ、エントリー時の採用負担の削減に役立ちます。

【2】社員の人脈を活用したリファラル採用

欲しい人材に直接アプローチするもう一つの採用手法が、リファラル採用です。既存社員の知り合いなど、人脈を生かして求職者を募ります。

自社の雰囲気や仕事内容を熟知している社員からの紹介であるため、職場とのミスマッチが起きにくいのが特徴です。仲介役として社員を選ぶ際は、「仕事そのものへの情熱があるか」「会社全般に満足しているか」など、会社へのエンゲージメント(愛着)を観察しましょう。従業員エンゲージメントが高い社員が多いほど、「知り合いに進めたい」という気持ちが強く、リファラル採用を円滑に進めることができます。

自社と合った中途採用の手法を選ぶポイント

最後に、ご紹介した中途採用の手法を、どのようにして自社採用に取り入れるのか、選ぶ際のポイントを3つご紹介します。

【1】欲しい人材はどこにいるのか

まず、自社の欲しいターゲットはどのような経歴・スキルを持っているかを明確にしましょう。そのうえで、欲しい人材が「どこに」いるのかを見極めます。

中途採用は募集するポジションに見合ったスキル・経歴を持つ人材を採用することが前提です。そのため、自社が欲しい人材に最も効率的にリーチできる採用手法を選ぶことが重要。業界特化型の求人サイトを利用するのか、ハイクラス人材の人材紹介会に依頼するのか。それぞれの採用手法が得意とするターゲットを観察することで、自社の採用に合うかどうかを検討できます。

【2】採用の手間をかけてもいいと思える手法

つぎに、採用の手間がどれくらいかかる手法なのか、正しく検討することが大切です。

特に、近年発達したダイレクト・リクルーティングは、より欲しい人材に出会うことが可能である一方、企業が能動的に動く負担があります。従来の求人サイトのように、求人情報を掲載して終わりではありません。発信一辺倒ではなく、企業アカウントの対面を保ちつつも、双方向の運用でアカウントを育てる意識が重要です。

また、複数の採用手法を用いて情報発信をすることで、企業のイメージがブレる恐れもあります。SNSアカウント、自社サイト、求人情報や社員インタビューなど、全体の採用広報を考える必要があります。

【3】コストの安さだけにこだわらない

採用コストの安さだけで選ぶと、上記に説明した運用負担の大きさ等で、採用がつまづく恐れがあります。

欲しい人材にリーチできる手法か、運用の継続が可能な方法か、各採用手法の特徴を理解した上で、自社の採用予算を踏まえて選択することが大切です。

売り手市場である現在、求人情報をただ発信するだけではなく、人材戦略の方向性を現場と共有し、面談やインタビューで社員を巻き込んだ採用を展開することが、よりリアルな情報を求職者に届ける鍵となります。

【まとめ】

中途採用を成功させるには手法のメリット・デメリットを理解して選ぶ

今後、進む少子化や人材の流動化で、中途採用市場がますます激化することが予測されます。従来の採用手法に加え、ダイレクト・リクルーティングなどの新しい手法を取り入れることが、採用の成功につながる可能性も。また、複数の採用手法を用意して、欲しい人材や状況に応じて使い分けることが大切です。各手法の特徴を理解して、自社に合った方法を選んでください。