2018/12/17 【ランスタッド・ワークインサイト】 年末年始の挨拶まわり、デジタル時代の今だからこそ必要?

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2018年第4四半期 ランスタッド・ワークインサイト 調査結果ポイント

①年末年始の挨拶まわりは必要?不要?ビジネスパーソンの本音は必要が22.1%、不要が42.6%。

⇒働き方改革が叫ばれ効率化が求められる昨今、年末年始の挨拶まわりは必要なのでしょうか。ビジネスパーソンの42.6%は不要であると答え、必要であると答えた22.1%を大きく上回る結果となりました。残業削減による効率化の促進や、デジタル化の恩恵により、一年の節目であっても、直接会って挨拶をすることは不要であると感じるビジネスパーソンが多いようです。そこには業務効率化を求められる今だからこその理由が?!

②実際に挨拶まわりをする頻度が高い20代や営業職は、挨拶まわりを必要と感じる割合が高い?!

⇒実際に挨拶まわりに行く頻度は、20代男性が24.4%と最も多く、全体の8.4%と比べると圧倒的な結果となりました。また、「挨拶まわりは必要」と答えた割合も20代男性が27.8%と、20代女性と並び最も高い割合でした。また、職種別に見ると、営業職は挨拶まわりに行く頻度が41.0%と非常に高い結果となりました。また、「挨拶まわりは必要」と答えた職種についても営業職が42.9%と最も高い結果となりました。年代別に見ると、20代が挨拶回りを最も重視するという結果となり、デジタル世代の意外な側面が垣間見られました。

年末年始の挨拶まわりに関する調査 詳細

年末年始の挨拶まわりは必要?不要?ビジネスパーソンの本音は必要が22.1%、不要が42.6%。

年末年始の挨拶まわりについて、22.1%が必要と感じている一方で約2倍の42.6%が不要と感じており、全体としては「必要ない」と感じている意見が優勢でした。調査結果を紐解くと、挨拶まわりに「行く側」も「受ける側」も大変だと感じている部分には、「時間がとられてしまう」という共通点があることが明らかになりました。

●年末・年始の挨拶まわりに行く際の大変な点について、「行く側」「受ける側」両者で、「時間がとられてしまう」という理由が1位、2位についても「挨拶以上に時間がとられる」「対応の為に時間が圧迫される」が挙げられました。働き方改革の一環として長時間労働の是正が叫ばれるなか、業務効率化の必要性を問われているからこそ「時間に対する意識」も上がっていると推察できます。

実際に挨拶まわりに関わる頻度が高い20代や営業職は、挨拶まわりを必要と感じる割合が高い?!

年末年始の挨拶まわりに行く・受ける頻度を属性別で見ると、挨拶まわりに行く頻度・受ける頻度ともに、年代別では若手に任せる傾向が見られ、職種別では営業職が1位でした。行く頻度に関しては営業職が41.0%と、やはり突出した結果でした。対応の頻度が高い層は、挨拶回りについてどのような気持ちを持っているのでしょうか?

●挨拶まわりの対応について、頻度が高い分、20代では行く・受ける双方に対して負担に感じている割合が年代別で最も高い数値でした。一方、職種別では、頻度の高い営業職は他の職種と比較してそれほど負担に感じていないことが分かりました。

●しかし、挨拶まわりの対応に負担を感じている20代でも、27.8%が「必要」と回答。実際に挨拶回りを行っている頻度の高い20代が全年代を通じて1番必要性を感じていることが明らかになりました。また職種別でも営業職の42.9%が肯定しており、20代の結果と同様に、実際に訪問する機会が多い層ほどその必要性を実感していることが分かりました。

●また、「挨拶に行く頻度」「挨拶を受ける頻度」別にフォーカスすると、双方ともに挨拶まわりに関わる頻度が高くなるにつれて、必要性を強く認識している傾向が顕著に見られました。名刺交換のデジタル化やビジネスSNS、マーケティングオートメーションツールなど、テクノロジーの発達により営業活動の効率化が進んでいますが、実際関わっている層は、実際に関わっている層は「人と人の対面のコミュニケーションを持つこと」に意義を見出しているのではないかと推測されます。

番外編:挨拶まわり時期はお茶出しが大変!?

「挨拶まわりを受けること」について、全体では12.7%だった「お茶出しなどの対応が大変」という回答は、性別では男性が7.8%なのに対し女性が17.6%、20代女性に限定すると24.4%という結果でした。お茶出しは職歴の短い女性が対応するという雰囲気が日本の職場にはあり、対象となる20代女性の負担も大きいということが見受けられます。

■ランスタッド株式会社EAP総研所長 川西由美子からのコメント

 対面でのコミュニケーションのメリットは、電話やEメールでは感じづらい、雰囲気やニュアンス、塩梅など、非言語によるコミュニケーションにより双方の想いがより伝わりやすい点で、ビジネスの場面でもよりスムーズに話が進められると言われています。Eメールでは怒っているように感じても実際会うとそうではなかった、ということは往々にして起こり得ます。年末年始に挨拶に行ったら、相手が思った以上に良い雰囲気だった、喜んでくれた、と感じることで、挨拶に行った意義があったという肯定感に繋がっていると考えられます。

 今回の調査で、特に20代の若手が挨拶まわりを必要という傾向が見られたことについては、2つ理由として挙げられます。現在の若手はマニュアル世代と言われ、お手本や見本を見ると安心する傾向にあります。しかし、仕事が細分化されている昨今では、なかなか上司の対外的な態度に触れる機会はありません。その点、挨拶まわりで上司と一緒に客先を訪問することで、上司の仕事の向き合い方や、お客様先での立ち居振る舞いなど、手本を見る絶好の機会であると言えます。

 また、会社に入ったばかりの世代は、ただ目の前の仕事をこなすのみで、会社を背負う責任がまだ分からず、所属することの欲求が満たされないことがあります。会社のロゴ入りのノベルティグッズや、お客様に対して「今後も宜しくお願いします」と言うことで、自分が今どこに属してるのかを、ハッキリ意識できます。そして、自分一人がではなく、我々がお客様と向き合っているという認識が高くなるのも、このような年末年始の挨拶まわりです。

 働き方改革で効率を求めるあまり、対面コミュニケーションの時間を削ると、若手のマインドを高めるチャンスが減ります。挨拶まわりはお客様とのコミュニケーション向上だけではなく、部下に仕事の向き合い方や、コミュニケーションスタイルを教えるチャンスとも言えるでしょう。

■ランスタッド・リサーチインスティテュート(RRI) 所長  中山悟朗

今回の調査では、年末年始の挨拶まわりに行く・行かない、挨拶を受ける・受けないに関わらず、ビジネスパーソンにその必要性と負担度を回答してもらいました。結果、挨拶まわりに行く側の負担はもちろん、受ける側も対応のために時間が奪われていること、挨拶回りをする上司や同僚の業務を他のメンバーがカバーするという二次的な影響があることが分かりました。そのためか、全体的に挨拶まわりの必要性に疑問を感じている人が多数を占めました。

 一方で、実際に年末年始の挨拶まわりに関わる層、そして受ける頻度が高い層ほど、その必要性を強く認識していることも分かりました。通常業務の中でも顧客を訪問する機会が多いと思われる若手や営業職が「年末年始に顧客を直接訪問すること」の意義を見出している点、また受ける側もそれを好意的に感じている点はとても興味深く、この活動自体が顧客との関係を維持、発展させるためにプラスの役割を果たしていると言えそうです。

 インターネットや様々なデジタルツールが生み出されたことで、日々の営業活動は劇的に効率性を増し、働き方改革の面でもポジティブな影響があったことは明らかです。と同時に、容易にコンタクトを取れる時代だからこそ、わざわざ訪問する、手紙を送る、など「手間をかけること」の特別感は高まったのではないでしょうか。もちろん、それには時間もコストもかかります。費用対効果を最大化するため、案件の重要度、目的、費用を分析し、手間をかけるべきところ、簡素化できるところを戦略的に使い分けることで、顧客との関係性はよりよいものになりそうです。

ランスタッド・ワークインサイト(Randstad Work Insight)について

ランスタッド・ワークインサイトは、2017年6月のランスタッド・リサーチインスティテュート(RRI)の設立に伴いスタートしました。国内の労働者を対象に年4回実施され、日本国内の景況感に関する定点調査と、時期やトレンドに合わせたトピックに関する調査を通して、労働市場が抱える問題の提起や、回答から導き出される糸口を独自の洞察を交えて発表します。

  • 【ビジネスパーソンへの理想の上司などに関する調査 概要】
  • 調査目的職場の忘年会/年末年始の挨拶まわりに関する調査
  • 調査対象20歳から69歳までの一般企業に勤務する方(正社員・契約社員)および公務員・団体職員
  • 調査エリア日本全国
  • サンプル数1,800名
  • 調査期間2018年11月2日(金)~11月6日(火)
  • 調査方法インターネットによるWebアンケート形式