2017/09/27 【ランスタッド・ワークインサイト】 【ワークインサイト】「副業」、「無期雇用派遣」に関する調査結果を発表

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2017年第3四半期 ランスタッド・ワークインサイト 調査結果ポイント

■  勤務先で副業が認められているのは、わずか13.5%。「現在副業はしていないが興味はある」人は、女性の方が男性より13.1ポイント高い結果

■  副業に興味がある理由は「現在の生活をより経済的に余裕のあるものにしたい」が男女ともにトップ。興味がない理由では、女性が時間や体力がないなど「出来ない」理由を挙げているのに対し、男性は本業に満足や充分な収入があるなど「やらなくて良い」理由を挙げる傾向

■  無期雇用派遣について、「希望する(38.7%)」、「希望しない(21.7%)」であった一方、「わからない」の回答が4割近く挙がった

■  無期雇用派遣を希望しない理由では、「派遣社員という立場が働きやすい(30.8%)」、「有期雇用派遣に満足(10.8%)」など、派遣就労を自ら選択する意見も目立つ結果

「副業」に関する調査結果

勤務先で副業が認められているのは、わずか13.5%。「現在副業はしていないが興味はある」人は、女性の方が男性より13.1ポイント高い結果

副業が「認められている」「原則認められている」は合わせて13.5%であるのに対し、「原則認められていない」「一切認められていない」は67.3%で、従業員の副業に対して積極的な勤務先は、1割強に留まりました。

全体では、「現在副業をしている」人は6.5%と少数であるものの、「現在副業はしていないが興味はある」人は45.7%を数え、「現在副業をしている」人と合わせると52.2%と半数を超える結果でした。

男女別に見ると、現在副業をしている割合は男性が6.7%、女性が6.3%と同程度ですが、男性は「興味がある」が40.0%であったのに対して女性は53.1%と、13.1ポイント高いことが分かりました。中でも、20代女性が「副業をしている」、「興味がある」ともに高い傾向でした。

 

副業に興味がある理由は「現在の生活をより経済的に余裕のあるものにしたい」が男女ともにトップ。興味がない理由では、女性が時間や体力がないなど「出来ない」理由を挙げているのに対し、男性は本業に満足や充分な収入があるなど「やらなくて良い」理由を挙げる傾向

副業をしていないが興味を持つ理由として、1番が「現在の生活をより経済的に余裕のあるものにしたい(67.4%)」、ついで「将来の生活をより経済的に余裕のあるものにしたい(65.1%)」が挙がり、ともに副収入源としての経済的メリットに関わる内容でした。性別でみると、「現在の生活をより経済的に余裕のあるものにしたい」が男性61.5%に対し女性73.2%、「将来の生活をより経済的に余裕のあるものにしたい」は男性60.9%、女性69.2%となり、女性のほうが副収入を得ることに、より高い関心を示しました。

副業に興味がない理由のトップ3は「時間がない(42.4%)」、「勤務先で副業が禁止されている/推奨されていない(40.9%)」、「体力がない(28.6%)」が挙がり、個人的な理由が挙がったほか、もともと勤務先で副業が認められていないとの回答も多くありました。性別による差では、女性からは「時間がない(男女差:6.1ポイント)」「体力がない(同16.1ポイント)」などの「出来ない理由」が30~50代で多かったのに対し、男性は「本業以外にやりたいことは特にない(同7.6ポイント)」「本業で十分な収入を得ている(同7.5ポイント)」など、「やらなくて良い」理由が多い結果となりました。女性は仕事のほかに子育てや介護を担う機会が多いのに対し、男性は職場で責任あるポジションに携わるチャンスに恵まれる傾向にあることから、副業への関心それぞれが影響を与えたものと考えられます。

「無期雇用派遣」に関する調査結果

無期雇用派遣について、「希望する(38.7%)」、「希望しない(21.7%)」であった一方、「わからない」の回答が4割近く挙がった

派遣社員全体では「希望する」が38.7%、「希望しない」が21.7%と、無期雇用派遣という新しい雇用スタイルに対する興味は高い結果でした。しかしその一方で、まだ制度自体が始まっていないことから「わからない」とする回答が39.7%と多くを占めました。無期雇用の希望有無について、男性の方がやや「希望する」の回答が多くありましたが、性別による大きな差はありませんでした。

無期雇用派遣を希望しない理由では、「派遣社員という立場が働きやすい(30.8%)」、「有期雇用派遣に満足(10.8%)」など、派遣就労を自ら選択する意見も目立つ結果

無期雇用派遣を希望する層からは「雇用の安定」に対する期待が多く寄せられました。「希望しない」理由には、「正規社員として働くことを希望するから(27.7%)」に特に男性からの支持が集まりましたが、その一方で、「派遣社員という立場が働きやすいから(30.8%)」や「有期雇用派遣に満足しているから(10.8%)」など、今の就労スタイルを維持したいという回答が特に女性から多く挙がり、働きやすさや自分のスタイル、といったメリットを求めて派遣社員という雇用形態を自主的に選択していることがうかがえる結果でした。

■ランスタッド・リサーチインスティテュート 所長 松井 隆

今回の調査では多様な働き方の中から、注目を集める「副業」と、実質2018年4月から開始となる「無期雇用派遣」に関する調査を実施しました。調査を通して分かったことは、日本では特に女性が「働き方の多様性」を求めている、という点です。例えば、副業に対しては男性と比べて女性のほうがより関心が高く、無期雇用派遣については、無期雇用という「安定性」よりも有期雇用派遣の雇用スタイルを自ら選択する層が一定数いる結果でした。

日本では約5割の女性が結婚・出産を期に退職します。副業という「多様性」を認める企業が1割強に留まる結果であったように、多くの企業では働き方のフレキシブルさについて未だ発展途上であることは否めません。無期雇用派遣を希望しない理由で「派遣社員の立場が働きやすい」「残業が増えそう」が支持を集めているのは、このような日本の労働環境が影響していると推測されます。

これからの労働力人口の大幅な減少に向け、今働いていない層の労働市場への参入、制限があって思うように働けていない層への制度面からの支援拡充は、日本が直面する喫緊の課題です。今後、副業や無期雇用派遣が選択肢の一つとして確立され、労働者一人ひとりのライフステージや希望によって働き方を流動的に選択できる環境が促進されていくことを期待します。

ランスタッド・ワークインサイト(Randstad Work Insight)について

ランスタッド・ワークインサイトは、2017年6月のランスタッド・リサーチインスティテュート(RRI)の設立に伴いスタートしました。国内の労働者を対象に年4回実施され、日本国内の景況感に関する定点調査と、時期やトレンドに合わせたトピックに関する調査を通して、労働市場が抱える問題の提起や、回答から導き出される糸口を独自の洞察を交えて発表します。

  • 調査対象20歳から69歳までの一般企業に勤務する方(正社員・契約社員)および公務員・団体職員
  • 調査エリア日本全国
  • サンプル数1,800名※「副業」は派遣社員を除く1,500名、「無期雇用派遣」は派遣社員300名の結果を反映
  • 調査期間2017年8月7日(月)~9日(水)
  • 調査方法インターネットによるWebアンケート形式