interview多様な人材の個性や強みを輝かせるピープルマネジメント|グローバルIT人材市場に挑む、デジタルタレントソリューション事業本部の展望

高橋 洋子デジタルタレントソリューション事業本部 ディレクター
- profile
- 東京出身。同志社女子大学現代社会学部を卒業。IT企業にて営業経験後、2016年4月にランスタッドにコンサルタントとして入社。成功報酬での人材紹介以外にもリテイナー契約での実績も多い。現在は、Randstad Digitalのディレクターとして正社員紹介の事業部をリード。プライベートでは2児のママ。2020年 "Growth, Transformation & One Randstad" 受賞 2022年 "CEO for a day"ノミネート
前職の営業時代、取引先として訪れていたランスタッド

デジタルタレントソリューション事業本部でディレクターを務める高橋。IT企業への正社員転職をサポートするコンサルタント約50名を束ね、ピープルマネジメントを手がけています。
(高橋)「ランスタッドとの出会いは9年前。前職でIT関連の外資系企業の営業担当をしており、その際に訪れていたのがこのランスタッド赤坂オフィスでした。当時抱いていた印象は、社員がとても生き生き働いているな、ということ。いち営業である私へのフレンドリーな態度からも充実感や余裕が感じられ、率直に良い企業だと感じました」
その後、Technologyチームの発足にともない、営業活動で出入りしていた高橋に会社説明会に参加しないかと声がかかります。この時点では転職の意思はなく、取引先を理解したいという思いで説明会に参加しました。
(高橋)「誰と話してもジャッジされている感じはなく、座談会のようなフラットな雰囲気だったのが印象的でした。自分の肌にあっている感覚があり、自然とランスタッドで働くイメージを持ちました」
こうしてハイクラス転職を支援するプロフェッショナル事業部にコンサルタントとして入社。Technologyチームに配属されるとIT業界を中心に多くの成約を獲得します。マネージャー就任後もIT業界、コンサルティング業界をリードし"Growth, Transformation & One Randstad" を受賞。ディレクターまで駆け上がりました。
多様なメンバーの個性を生かしたマネジメントに注力

高橋は仕事をするうえで大切にしていることを2つ教えてくれました。
(高橋)「1つ目はクライアントや候補者に対して、常に誠実で迅速な対応をすること。仕事というのは人生で大きなウエイトを占める要素です。候補者様の収入が増えれば豊かになりますが、転居をともなう転職なら候補者様だけでなくご家族の生活も変化します。生活が変わることはポジティブな側面ばかりではありません。候補者様の気持ちに寄り添い、小まめなコミュニケーションや情報共有で不安を軽減していただきます」
大きな決断だからこそ「あのとき転職をして良かった」という言葉は、何よりも励みになると言います。また、紹介して数年後、元候補者の方がステップアップの転職を考えるタイミングで、「また転職サポートをしてほしい」と指名を受けたときの高揚感は今でも忘れられないそうです。
高橋は常日頃からメンバーには、「誰かの人生を好転させる瞬間を味わってもらいたい」と考えています。人と人を結ぶこの仕事の尊さに意義を感じ、コンサルタントとしての誇りを持てるよう導くことが高橋のミッションであると話します。
(高橋)「2つ目はメンバーが個性や強みを生かして活躍できる環境を整備すること。例えば、転職に対しとにかくスピードを重視している人、反対に慎重に吟味してほしい人、日本語より英語でコミュニケーションを取りたい人など、候補者様の数だけ転職に対する考え方があります。この考え方にフィットする担当者をアサインするのが腕の見せ所です」
デジタルタレントソリューション事業本部は、ランスタッド内でも特にグローバルなコミュニティ。アジア圏を中心に欧米やオセアニアなど異なる文化を持つメンバーが所属しています。国籍だけでなく、メンバーの年齢・性別・家族構成もさまざまです。
(高橋)「異なる要素を持つ人材がそろっていることはランスタッドのアドバンテージです。候補者様とのマッチングの幅も広がります。個性を生かした采配で、候補者様と企業、そしてメンバーの三方良しを目指します」
何をすべきかより「何をやりたいか」

前職でも外資系企業に身を置いていた高橋。それでもランスタッドのカルチャーには驚かされることが多かったそうです。
(高橋)「特徴的なのは何をすべきかより 『何をやりたいか』を尊重しているところです。上のポジションを目指すことを美徳とする企業もありますが、ランスタッドには模範解答がないと感じます。プレイヤーとして専門性を高めたい人、プライベートに重きを置きたい人、すべて正解というスタンスに共感できます」
仕事の目標値に対する考え方も同様だと言います。
(高橋)「公平性を重視するランスタッドでは、昇進するための明確な指標があります。成果を挙げて昇進を目指すメンバーもいれば、子どもが小さいうちは現状維持で良いというメンバーも。年齢や役職に関係なく、天井を作らずに挑戦できる環境が整っています」
プライベートでは二児の母である高橋。入社当時、下の子は保育園ではなく幼稚園に通っていたことから、平日の行事も多かったと振り返ります。
(高橋)「もしフレックス制でもコアタイムがあったら、仕事に全力投球はできなかったでしょうね。現在のキャリアも違うものになっていたかもしれません。私の場合は必要なだけ子どもに関わることができたという充実感が仕事の原動力になりました」
部署内ではカレンダーアプリでメンバーとスケジュールを共有します。仕事のスケジュールや休暇予定だけでなく、小さな子どもがいるメンバーは送り迎えの時間を入力し、仕事の予定が入らないように調整しているそうです。
(高橋)「私も母として女性の活躍推進には強い思いがあります。子育てでキャリアを諦めてしまう方もいますが、ランスタッドからその流れを変えていきたいです。性別、年齢や学歴に左右されず『自分のやりたいことを叶えて働くモデル』はきっと誰かの憧れになります。憧れに突き動かされて挑戦し、キャリアをつかんだ女性がまた誰かのロールモデルになれば、社会は変わっていきます。私たちが成功体験を発信し、憧れの連鎖を広げていきたいと考えています」
専門性を深化し組織改革で拓く新たな可能性

2024年7月に実施されたランスタッドジャパンでの人事・機構改革。その要点と狙いについて聞きました。
(高橋)「これまでランスタッドはSPOT・派遣・正社員と雇用形態ごとに事業部を設けていましたが、この度の組織改革で各部署が担当する業界ごとに再編しました。オペレーショナル・プロフェッショナル・デジタル・エンタープライズの4部門に分類して、それぞれのタレントの属性に則した高い専門性の発揮を目指します」
官公庁や企業などあらゆる場面でDX化が進み、常に成長を求められているIT業界。IT人材の確保が急務とされるなか、高橋らの所属するランスタッドデジタルでは社内に拡散していた業界への知見を集約することで、IT市場へのさらなる価値の提供を思案します。
(高橋)「各部署のマネージャー同士で情報や課題を共有するなかで、多くの気付きがありました。今後も各部署がコラボレーションを強化することで生み出される化学反応に期待が高まっています。具体的には、企業に対してはクロスセル、求職者様には派遣~正社員転職まで一気通貫した対応が可能になるなど、さまざまな形の貢献が可能になると考えています」
世界で最も公平かつ専門性を備えた人材サービス会社になるというビジョンを掲げるランスタッドですが、まだ国内の知名度は低く、高橋は「裏を返せば伸びしろがある」と続けます。
(高橋)「私たちの武器はグローバルカンパニーであること。他国のサクセスケースを参考にして日本で価値を発揮することも十分にありますし、その逆もあると感じています。人事・機構改革で弾みをつけ、ランスタッドデジタル一丸となり、よりスケールの大きなサポートを提供していきます」
最後に、ランスタッドに興味を寄せる求職者の方に次のようなメッセージを送ります。
(高橋)「前職で訪問していた時代から現在まで、私が感じるランスタッドの魅力は『働いている人が優しいこと』。人材業界には興味が持てなくても、ランスタッドのカルチャーに興味を持ってもらえたら、まずは気軽にお話してみましょう。他者を尊重するエクイティな人々のなかで、自分らしく働く姿をぜひイメージしてみてください」