第10回 SVの育成手法

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1.SVが育たない背景

コールセンターの品質はSVの力量で決まると言っても過言ではありません。
「SVが育たない、すぐ離職(転職)してしまう」「優秀なSVを紹介して欲しい」という声をよく聞きます。しかし、SVは自然に育つものではありません。育てられない会社側の体質や制度そのものに問題があるのです。

SVが育たない原因を整理分析してみると、以下のような状況が見られます。

  1. 配属された若手の社員SVより、派遣のベテランコミュニケータの方が経験も知識もある。
    • エスカレーションもままならない若手SVをコミュニケータが信頼しきれない。
    • 若手SVが、自分より経験豊富な年上のコミュニケータを指導できないでいる。
  2. SVだけにはなりたくない(昇格なんかしたくない)と思っている。
    • センター長があえて全員の前でSVを声高に激しく叱咤する。
    • いつもプレッシャーを強いられるSVには絶対になりたくない!と思っている。
    • SVになっても残業と責任が増えるだけで、収入はさほど変わらないし・・・。
  3. 新たにSVに任命されたが、何をどうすべきかわからない。
    • 年功序列でSVに昇格任命されたが、できるかどうか不安がある。
    • 何であの人がSVになるの!?納得できない(コミュニケータからの不信)
  4. 中途採用でSVに就任したが自信をなくした。
    • 前職のセンターで身につけたSV経験が運営方針の違いで役に立たない。
    • 残業が増えて体調も崩し、モチベーションが維持できない。

2.SVを育成するために

これらの問題を払拭するためには、次のような施策を打つ必要があります。

  1. SVの職務定義を明確にする
    何をすべきかあやふや、やるべきことが多すぎる、ただ雑務に追われる、という状況を防ぐために、SVの職務定義、業務範囲、権限を明確にし、残業が少なく、ストレスが溜まらない状況を作り出すことです。
  2. SVを育てる環境を整える
    SVという職種に魅力を感じてもらうために、権限委譲、キャリアパス制度を設け、自己の成長や人生の目標達成につながるような、マインド教育や外部研修をも含めた計画的なSV育成プログラムを構築することが重要です。
  3. SVの資質を持った適正人材を選定する
    中途採用で外部からSVを登用してうまくいくケースはまれです。今の組織の中から適正な人材を見極める目を養うことが大切です。

なお、SVの職務定義については、(社)日本テレマーケティング協会の人材育成委員会が昨年、実務レベルで整理しまとめたものがあります。協会員限定配布ですが、ご興味のある方はJTAに問い合わせてみるとよいでしょう。


3.SVとして必要な資質とは?

SVとして必要な素養・資質には以下のものがあります。

  1. 指導力、人望、包容力、判断力(人的素養)
  2. コミュニケーション能力
  3. マネジメント能力、人材育成能力
  4. 業務知識(エスカレーション対応力)
  5. カウンセリング能力、コーチングノウハウ
  6. コスト管理意識
  7. 健康管理、体力維持

上記すべてを初めから兼ね備えた人材は少ないのが現実ですが、SV育成の仕組みさえしっかり整備すれば道は遠くありません。そして、SV選定の際の留意点、SVとして重要なスタンスをまとめると、以下の事柄に集約されます。

  1. 自らがSVとなる意思をしっかり持っていること
  2. 周りの誰もがSVとして適任であることを認めること
  3. SVになる以上すべてに対して公明正大であること
  4. SVは全コミュニケータに公平に愛情を注ぐこと
  5. 日々自己の成長を目指し、自己研鑽に努めること
  6. 悩みはひとりで抱えないこと
  7. 常にポジティブ志向であること

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各回の内容


著者プロフィール

コールセンター専門コンサルタント 鈴木 誠 (すずき・まこと)

コールセンター新規設立やセンターの現状分析、改革に関するコンサルティング業務の中で、戦略立案、センターマネジメント確立、人材育成、品質向上、生産性アップ、スクリプト開発など幅広いノウハウを実務レベルで提供。セミナー講演やJTAスクール「スクリプト作成講座」の常任講師も担当。

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