第1回 離職率の低減

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1.なぜコミュニケータは辞めてしまうのか

コールセンターに勤務するコミュニケータはさまざまな事情で退職をしていきます。本人の体調不良であったり、家庭の事情であったり、やむを得ない理由で退職せざるを得ないケースももちろんですが、センター管理者はその裏に隠れた真の理由を把握する必要があります。


2.表向きの退職理由 ベスト3

コミュニケーターが退職する表向きの理由ベスト3

  • 1位 「体調不良」
    ストレスの多いコールセンターでは、精神的な悩みから体調を崩してしまうことも少なくない。つまり根本は別のところに原因があることも多く、そこを直さなければ本来的に解決するものではない。
  • 2位「家庭の事情」
    父母の入院・介護、子供の塾通い、夫の転勤などさまざまな理由を言ってくる。これからどんどん費用がかさむようになって今退職してしまって大丈夫なのかと心配になってしまう。介護休暇やシフト調整の柔軟性などの制度がきちんと整っていれば解決可能な理由もある。
  • 3位「結婚・出産・育児」
    結婚し住居が遠方になった。出産・育児で仕事ができなくなった。親とも別居なので育児を頼める人が近くにいないなど。産休や育児休暇を利用し、一定期間後に職場復帰をすればいいのに、と思っても多くの人は戻ってこない。大なり小なり職場に対する不満が解消されないためである。

3.真の退職理由 ベスト3

退職の真の理由は実は他にあるのではないか、という仮説のもとに、私たちが独自に追跡調査を行った結果、興味深い理由が明らかになった。

コミュニケーターが退職する真の理由ベスト3

  • 1位「管理者(マネージャー, SV)に対する不満」
    無理難題を強いられる。指導が厳しく毎日注意される。改善案などで質問をあげても回答がない、あるいはあいまいになったまま。センターの方針やルールそのものがあいまい。人によって言うことが違う。会社の将来性が見えないなど、さまざまな不満の声があがる。
  • 2位「就業条件(内容、時間、時給)に対する不満」
    自分には向いていない仕事だと思った。覚えなければいけないことが多すぎてついていけない。毎日同じことの繰り返しでストレスが溜まる。苦情やクレームが多く対応がつらい。時給がいまだに変わらない。休日出勤、残業を強いられる。有給休暇をとりづらいなど、業務内容や勤務条件が自分の希望と合わない理由が多くあげられる。
  • 3位「社内の対人関係」
    上司が嫌い、なじめない、○○さんとは肌が合わない。仕事とは関係ない個人的な人間関係のトラブルに巻き込まれて心労になっている。組織的あるいは個人的な陰湿な「いじめ」があって耐えられない、特定の人が宗教普及活動をしている、業務外の別の仕事にしつこく誘われる(マルチ商法)など、かなり奥の深い離職理由が散見される。

4.真の離職理由を回避するためには

1つ目の「管理者(マネージャー, SV)に対する不満」の根本原因は「センターや職務ごとのミッション、業務フローが不明確」であることに起因します。2つ目の「就業条件(内容、時間、時給)に対する不満」は「適性のない人を採用してしまった」ことによって起こることが多く、また、「社内の対人関係」は、「会社の、あるいはセンターの組織風土が形成しきれていない」ことが最大の原因です。言い換えれば、「センターミッションやそれぞれの職務定義を明らかにし、業務フローを明確にする」「自分のセンターに適性のあるコミュニケータを採用する」そして、「センターの組織風土を正しく形成する」ことで、コミュニケータが定着し、活き活きと活躍できるセンターとなるのです。

どんなセンターが、離職が少なく定着率の高いセンターなのか。駅から近くて自宅からも通いやすい、ビルが新しくてセンター内もきれい、給料がよくてある程度 自由な勤務が選べる、自分の興味のある分野で自己成長にもつながる、センター内の雰囲気が明るく活気がある、上司や同僚とも気が合って働きやすい・・・など、理想をあげればきりがありませんが、足らない部分は「制度面」「コミュニケーション面」「インセンティブ」などで補完していくことで実はある程度カバーできます。

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各回の内容


著者プロフィール

コールセンター専門コンサルタント 鈴木 誠 (すずき・まこと)

コールセンター新規設立やセンターの現状分析、改革に関するコンサルティング業務の中で、戦略立案、センターマネジメント確立、人材育成、品質向上、生産性アップ、スクリプト開発など幅広いノウハウを実務レベルで提供。セミナー講演やJTAスクール「スクリプト作成講座」の常任講師も担当。

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