派遣社員でも産休・育休は取れるの?法律と実際の話をまとめました

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2017/12/12

子育てと仕事の両立が当たり前になり始めた昨今、正社員の方は比較的安心して産休・育休申請を申請し、取得することができると思います。しかし派遣社員としてお仕事をしている方は「自分も取得できるのだろうか...」といった悩みを抱えているかもしれません。
ここでは、派遣社員も産休・育休を取得することができるのか?できるならばその条件や手続き方法、またお給料や休みの期間などは一体どうなるのか?を法律的に、実際に経験をした方のお話からお伝えします。

派遣社員でも産休・育休は取れるの?

雇用形態に関わらず労働者であれば誰でも産休・育休を取得する権利を持っています。つまり派遣社員の方も産休・育休を取ることが可能です。しかし、「派遣契約」と「雇用」は性質が違うので、産休・育休中に契約が切れた場合などは必ずしも取ることができません。
それでは、産休・育休の『取得条件と手続き方法』『期間について』『給与について』をそれぞれ法律的観点から見ていきましょう。

1、取得条件と手続き方法

労働基準法に定められた産前・産後休業(以下、産休といいます)と、育児・介護休業法に定められた育児休業(以下、育休といいます)は、派遣社員の方も取得することができます。その場合、派遣先ではなく雇用主である派遣元への申し出が必要となります。
産休・育休を取る条件やタイミングとして、いつから、例えば入社後1年未満などでも取得することは可能なのでしょうか。また、取得するとなった時どのように手続きを行えばよいのでしょうか。

産休の場合

産休というのは正式には「産前・産後休業」といい、産前と産後に休みを取得できる制度をいい、労働基準法第65条に定められています。産前休業は本人の請求により取得でき、産後休業は本人の請求の有無に関わらず、雇用主が強制的に与えなければなりません
出産予定日の6週間前(多胎出産の場合は14週間前)から取得できるので、派遣元の会社の定めに従い、事前に手続きを行います。

育休の場合

育休というのは育児休業のことで、育児・介護休業法第5条に定められています。 期間雇用者(雇用期間の定めのある雇用者)のうち、申し出の時点で次の(1)~(2)の全てを満たす方は、取得することができます。

  • (1)同一の事業主に引き続き1年以上雇用されていること
  • (2)子が1歳6か月に達する日までに、労働契約(更新される場合には、更新後の契約)の期間が満了することが明らかでないこと

なお、妊娠・出産を理由とする解雇・雇止めは禁止されていますが、契約期間が産休と同時に切れてしまう場合、契約終了は解雇ではないので禁止されてはいません。一般的には派遣会社が自社の直接雇用に切り替えてくれるケースが多いようですが、事前にきちんと確認・交渉しておくとよいでしょう。

育児休業の申し出は、休業開始予定日の1か月前までとされています。産後休業に続けて育児休業をする場合は、産前休業に入る前や産前休業中に書面で申し出ましょう。

2、休みの期間について

産休・育休の長さはそれぞれどのくらいなのでしょうか。

産休の場合

産前休業は、出産予定日を含む6週間、多胎妊娠の場合は8週間、本人の申し出により取得できます。
産後休業は、出産日の翌日から8週間の取得が雇用主の義務となっています。ただし、6週間を経過して本人が請求し、医師が認めた場合は仕事を再開することができます。

育休の場合

育休は、産後休業の終了後、子が1歳になる誕生日の前日まで、ただし保育所に入所できないなどの理由がある場合、最長で1年6か月まで延長できます。
ちなみに、産休は女性しか取得することができませんが、育休は男女ともに取得することができます。従って、夫婦同時に取得することもできるのです。

3、休み中の給与・社会保険給与について

産休・育休中は貰える給与や手当の種類ももちろん異なります。

産休の場合

産休中は、会社から給与ではなく、健康保険組合から「出産手当金」として、出産日以前6週間から出産日後8週間までの間、欠勤1日について賃金の3分の2相当額が支給されます。
また、健康保険、厚生年金保険といった社会保険料が免除されます。これには会社または健康保険組合への届け出が必要となります。

育休の場合

育休中は雇用保険から「育児休業給付金」として、休業開始時の賃金の2分の1相当額が支給されます。
また、産休と同様に社会保険料が免除されます。 産休時に併せて確認をするようにしましょう。

一口に「産休」「育休」といっても、取得できる条件や内容は少しずつ異なります。生まれてくるお子さんを、落ち着いた状態で迎えるためにも、派遣元の会社でよく確認し、早めに手続きを行っておくとよいでしょう。

派遣で産休・育休を経験した方の話

次に、派遣社員として働いていた時、実際に産休・育休を取得した経験のある方のお話をご紹介いたします

産休・育休取得後、元の職場に戻れたケース
20代後半のAさんは、2年半働いた職場で産休・育休を取得し、第一子出産の1年後には元の派遣先に戻ることができました。妊娠を報告したところ、派遣元からは「手続きをすれば現在の派遣先に戻れます」と説明を受けました。
職場の上長も理解があり、育休のちょうど1年後くらいに「そろそろ復帰できそうですか?」という連絡をもらいました。
派遣先も部署も同じ所でお仕事を再開することができ、更に定時が19時であったところを、17時までの時短勤務で契約をすることができました。

産休・育休取得後、元の職場に戻れなかったケース
同じAさん、30代前半で、第二子出産の時には、産休・育休ともに取得することはできましたが、元の職場には戻ることができませんでした。
理由としては、いざ戻ろうという時に、派遣元から派遣先へ連絡してもらったところ「現在は人が足りています...」という形で断られてしまったそうです。お世話になった上長は異動していて、組織体制も変更になっていたのです。
事前に復帰することができるという説明を受けていたため、驚きました。しかし、復帰を前提に保育園も内定していたので、派遣元から急いで別の派遣先を紹介してもらい、そちらで勤務を始めました。焦って勤務条件を妥協してしまったため、その派遣先は長続きせず、次の契約時に他の派遣先に移りました。現在は、お子さん達も大きくなり、正社員として活躍されています。

※インタビューは執筆者の取材によるもので、ランスタッドとは関係ありません 


産休・育休は法律的には派遣社員でも取得可能ですが、実際に体験した方の話からは、しっかりした対応を取ってくれる派遣元との契約や、派遣先とも良好な関係を築いておくことなどが大切であると分かります。
子育ては想像以上に大変です。産前産後にご自身が穏やかな気持ちで、赤ちゃんとの時間を過ごし、その先の長い育児期間を気持ちよく働き続けるためにも、納得のいく産休・育休を取得してください。

ライタープロフィール

遠藤 美穂子
国家資格キャリアコンサルタント。2級キャリアコンサルティング技能士。
14年間の都市銀行勤務を経て、キャリアコンサルタントとして活動開始。ハローワークでの研修講師や、ビジネスマナー指導、大学でのキャリア教育や就職指導を担当。講演のほか、書類の添削や面接でのロールプレイングなど実践的指導も行う。国際文化会館主催の次世代リーダー育成プログラム、新渡戸国際塾一期生。2児の母。
株式会社近代マネジメント

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