【派遣社員レポートvol.22】ネパール大地震

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2015/04/29


4月25日(土)、ネパールで大地震が起きました。この規模の地震は、ネパールで80年ぶりとのことです。


週末にかけ、たまたまバグルンバザールに滞在していた私は、地震発生時ホテル5階のレストランにいました。あまりにも大きな地震で、その場にいた誰もが一瞬何が起きたのか分からず立ち尽くし、地震だと理解した途端に、皆が一斉に走り出しました。とても強い揺れで、皆が階段を転げ落ちるように駆け出し、建物が密集していない広場へ避難しました。揺れはしばらく続き、周囲にいた方々も、とにかく安全なところに避難しようと必死でした。また、ネパールの方々はあまり地震に慣れていないため、パニックを起こしていました。我先に走りだし、叫び声がありとあらゆるところから聞こえました。私の腕を掴んで先に走って行こうとする人や、前にいる人たちを押し退けていこうとする人もいました。子供たちは泣き叫び、辺りは騒然としていました。広場に移動をした後も、余震が10分ごとに起こり、その度に人々は泣き叫び、混乱が起こりました。私は焦らないで、走ったら危ないからと片言のネパール語と英語で叫びましたが、周囲はそれどころではなく、混沌としていました。


その場に3時間以上は立ち尽くしていたと思います。余震も少なくなり、一度ホテルに戻り荷物をまとめました。その間にも何度か余震が続き、その度に人々は走り出し、中には、怪我をして脚を引きずっている人もいました。私はどうにか落ち着いて欲しいと思い、同行のナリーニさんにも通訳をしてもらいました。周りの人たちは、分かったと答えてくれましたが、やはり揺れるたびに大きな混乱が起こりました。私たちはその日の夜、ホテルの前の広場で夜を過ごしました。


翌日、ホテルに戻ると建物の壁や階段など、いたるところにヒビが入り、外からホテルを見ると建物が傾いていました。これ以上滞在するのは危ないと感じ、私たちは地元のNGO団体BYCのオフィスに避難をしました。BYCまでの道のりは歩いて約30分ほどです。途中、崩壊している建物もありました。街全体が騒然としており、街の人々は不安な表情を浮かべていました。VSOの方々とも連絡が取れなくなっており、BYCの方を頼るほかありませんでしたが、BYC代表のアマールさんはとても優しく私たちを受け入れ、落ち着くまでいていいよ、と言ってくれ、涙が出そうになりました。その日は街の方も何人か避難してきて、ブルーシートを敷いて野宿をしました。


翌日には余震も弱くなり、回数も少なくなりました。私たちは、不安な気持ちもありながら、BYCでは安心して日々を過ごすことができています。また、震災が起きて3日目には室内で寝泊りする環境も整い始めました。私たちがいたバグルンは震源地より約100km以上も離れていますが、大きな揺れを感じたので、カトマンズとポカラ周辺はどのくらい揺れたのか、想像もつきません。無傷で、安全な場所に避難できたのは非常に幸せなことである一方、カトマンズ周辺では多くの方が被災しています。今は安全第一で行動をしていきたいと思っています。

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