派遣契約の「人事異動」対応はおすみですか

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2013/07/09

【労務・コンプライアンスノート】第16回: 派遣契約の「人事異動」対応はおすみですか

6月末に、多くの企業の株主総会が開催されました。 この総会を経て、7月に人事異動を行う企業も少なくありません。取引先へ出向いたり又は書面によって異動の挨拶をされることもあるでしょう。

ところで、異動される方が労働者派遣契約に氏名を記載されている方の場合、派遣元事業主にも異動の連絡をいただいているでしょうか。

派遣元事業主と派遣先とで締結する労働者派遣契約には、派遣先事業所において次の三者を選任し、具体的な氏名も記載することになっています。

①派遣先責任者
受け入れた派遣労働者100人につき1人以上の選任が必要です。なお、物の製造の業務に派遣労働者を50人を超えて受け入れている場合は、併せて製造業務専門派遣先責任者の選任も必要です。

②指揮命令者
受け入れた派遣労働者に直接、業務の指示を行う立場の方で、抵触日のある業務の場合、指揮命令の最少単位を決める立場の方にあたります。

③派遣先における苦情の申出先
派遣労働者から相談や問い合わせを受ける、派遣先の担当者です。

労働者派遣法第34条では、派遣元事業主から派遣労働者に書面等により就業条件の明示を行うことを義務付けています。

派遣先で責任いただいた、上記の①~③の方の氏名は、この就業条件明示書に記載されることになっています。

したがって、派遣元事業主はできる限り迅速に、派遣先の各担当者の異動を把握し、派遣労働者にもその旨を周知するようにつとめています。

このようなことから、派遣先の皆様は、ぜひ、取引いただいている派遣元事業主にも異動のご一報をいただきたいと思います。

また、異動によって初めて派遣労働者の受け入れ実務に就かれる方は、派遣制度に関する疑義がある場合、遠慮なくランスタッドのコンサルタントにご質問下さい。

(2013.7.9 掲載)


このコラムに関するお問い合わせ:
ランスタッド株式会社 コミュニケーション室
Tel: +81(0)3-5275-1883
Email: communication
@randstad.co.jp

労務コンプライアンスノート本コラムでは、多様な人材を活用する企業人事部門の皆さまが、コンプライアンスに則った適正な形で人事・労務業務を遂行いただけるよう、ランスタッド顧問社労士がバラエティに富んだ労務トピックスを分かりやすく解説いたします。

特定社会保険労務士 田原 咲世 (たはら・さくよ)

1968年大阪生まれ。立命館大学修士課程修了後、旧労働省に入省し、労働基準法・男女雇用機会均等法・派遣法改正などを担当。2008年3月まで北海道労働局の需給調整指導官として活躍。2008年4月から札幌で北桜労働法務事務所を経営。特定社会保険労務士として、労働関係法を中心とした指導を行う。現ランスタッド、顧問社労士。

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